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材料加工用ダイナミックビーム機能付き16kWシングルモードCWレーザ

Eyal Shekel*1, Yaniv Vidne*1, Benayahu Urbach*1 (日本語訳:奈良拓治*2)

*1 Civan Advanced Technologies *2 株式会社Civan Japan


Civanはレーザによる材料加工において、これまでにない多様性と柔軟性を可能にする新技術を開発した。コヒーレントビームコンバイニング(CBC)とオプティカルフェーズドアレイ(OPA)技術に基づき、Civanの技術と製品は、ビームパラメータを必要なアプリケーションに合わせて動的に調整することが可能である。2次元の位置、焦点、形状、パワーはすべてデジタルで制御され、数十MHzの周波数で変調することが可能である。既存の最先端高出力レーザと比較して、CBCレーザのユニークな特徴は、金属切断、溶接、穴あけ、金属積層造形などの産業プロセスに大きなブレークスルーをもたらすとともに、難しい材料の加工、異種材料の溶接、高処理表面改質や機能化など、全く新しいアプリケーションを可能にすることである。CBCが初めて商用製品に採用されたCivanの製品は、業界が求める品質と堅牢性をサポートすることが実証されている。 業界内で要求される品質と堅牢性をサポートすることが実証されている。本稿では、この技術とその利点を紹介するとともに、これを活用したプロセスの改善例や、斬新な加工戦略について紹介する。 キーワード: コヒーレントビームコンバイニング(CBC)、オプティカルフェーズドア レイ(OPA)、レーザ溶接、レーザ切断



1. 概要

この数十年間、レーザは多くの産業プロセスにおいて重要なツールとなっている。レーザは、切断や溶接などの工程で従来のシステムに取って代わり、金属積層造形(金属3Dプリント)などの全く新しい加工方法とアプリケーションを可能にすることにより、プロセスをより効率的かつ信頼性の高いものにし、製造コストを削減することにより、ユーザーがその競争優位性を保持することを可能にしてきた。

技術や研究の進歩に伴い、新しいレーザや改良されたレーザが市場に登場し、これまでの成果をさらに向上させ、性能の向上や新しい加工戦略を可能にした。

最近の技術の進歩により、従来のレーザシステムよりも、出力と汎用性の両方が向上した製品の製造が可能になった。コヒーレントビームコンバイニング(CBC)技術を用いたレーザシステムは 21kWのシングルモード(SM)連続波(CW)ビームを実現した。この技術により、切断や溶接など、産業界のさまざまなコアプロセスが大幅に改善される。また、光位相アレイ(OPA)技術により、ビームパラメータの高速変調が可能となる。電気工学制御により数十MHzの周波数で、光軸方向のフォーカス位置、2次元座標、パワーを変調することができる。これにより これまで不可能だった多様性と柔軟性を持った運用が可能になる。さらに、OPAでは、ビーム形状をデジタルでダイナミックに制御することも可能である。ビームをニーズに合わせてダイナミックに調整することができる。

Civanは、CBCとOPAを用いた3つの商用レーザシステムを開発した。

本稿では、CBCとOPA技術について説明し、その機能を紹介するとともに、既存のプロセスをどのように改善し、新しい処理戦略を可能にするかを、いくつかの例を挙げて紹介する。




2.技術

レーザは現在、産業界で様々な用途に利用されている。溶接、切断、穴あけ、金属積層造形などの工程は、日常的にレーザによって行われている。Civanは、既存のCBC技術とOPA技術をベースに、これらのアプリケーションを劇的に改善する3つの工業製品を提供している。CBCでは、シードレーザを数チャンネル(10~100チャンネル)に分割し、それぞれを個別に増幅した後、1つの高出力ビームに再結合する(図1)。CBCはシングルモード(SM)ビームでの高出力化を可能にし、リモートプロセスを可能にする。この高出力でリモートプロセス可能な高品質ビームは、様々なプロセスで大きな改善をもたらすことが期待される。ビームは連続波(CW)、準連続波(QCW)の2つの方式で動作できるため、さらに柔軟な対応が可能となる。第3章ではCBCの利点について述べる。


図1 CBCの原理


OPAとはチャンネルを電気光学的に制御し、干渉縞によってファーフィールドで再結合させる技術である。これにより、比類なきビーム制御と柔軟性が実現され、ユーザーのニーズに合わせたビームを作ることができる。ビームシェーピング、ステアリング、ダイナミックフォーカシングは全てMHzオーダーのスピードで制御され、また可動部がないため、ユーザーはビームを正確にダイナミックに操作することができる。これにより、現在の工業プロセスを向上させるだけでなく、新しい処理戦略の可能性を開くことができる。第4章ではOPAの機能、現プロセスの改善のための利用方法、および新プロセス戦略への利用法について、いくつか例を挙げて説明する。



2.1 コヒーレントビームコンバイニング

CBC技術とは、高出力のシングルモードビームを実現するための手法である。CBCでは、シード光を複数のチャンネル(数十から数百)に分割され、その後、1つの高出力ビームに再結合される。Civanでは、2つの再結合方式を採用している。

 1.フィルドアパーチャ:この方法では、各ビームはグレーティングによりニアフィールドで再結合さrer。それにより、高出力のシングルモードビームを生成する

 2.タイルドアパーチャ:この方法は、各ビームはファーフィールド、つまり干渉パターンとして結合される。干渉パターンは各チャンネルの位相を高速変調することで電気光学的に制御される。この方法により、ビームの3D高速スキャンが可能なダイナミックビームを実現している



2.2 オプティカルフェーズドアレイ

OPAは、レーザの波動性を利用し、干渉縞によって目的の場所に目的のビームを作り出す。個々のチャンネルは全て被加工物に向けられ、複雑なアルゴリズムによって個々のチャンネルの位相が電気光学的に操作され、特定の干渉パターンが作り出される。この干渉パターンが3次元スキャンなどの合成ビームの特性を決定する。

この技術は、レーザを材料加工に利用する画期的な方法である。現在3次元スキャンなどのビームパラメータは、ロボットアームによる機械的な制御とミラーや解説光学素子(DOE)による光学的な制御で行われている。そのため、スキャンの速度は制限され、処理速度や能力に厳しい制約が出る。場合によっては走査中にパラメータ変更が行えない。

また、機械的な手段では可動部があるため、メンテナンスも大変である。OPAではビームを電気光学的に制御することで、これらの各パラメータをMHzの周波数で、プロセス中に可動部なしで変調させることができる。その結果、非常にダイナミックでフレキシブルなビームが実現され、材料加工の様々なニーズに合わせ、調整することができる。

第4章では、これらの機能により、切断、溶接、金属積層造形などの一般的な加工を大幅に改善できるだけでなく、ユーザがプロセスのニーズに合わせて、ビームを正確かつ動的に調整することで、新しい加工戦略の可能性を開けるかについて説明する。



3.フィルドアパーチャの利点

フィルドアパーチャコヒーレントビーム結合では、各ビームはグレーティングにより、ニアフィールドにて結合される。その結果、高出力のシングルモードビームが得られる。波長1064nmの場合、Civanの製品は18kWを超える高出力のシングルモードビームが得られる。これは最先端のマルチモードレーザシステムに匹敵するレベルである。またリモート加工が可能で、かつ出力を10-100%で高速に制御できるため、用途に応じた使い分けが可能である。



3.1 高出力リモート加工

材料加工において最も一般的な加工は、切断と溶接である。どちらもレーザで行われるのが一般的で、レーザの出力を上げることは、これら加工においてメリットとなる。例えば、レーザの出力を5倍(3.4kWから16kWに)に上げると、溶接の速度が8倍(4m/minから30m/min)になり、品質も遥かにに良くなることが示されている[2]。出力が高いということは、加工の深さを増すことができ、より厚い材料の加工が可能になるということでもある。マルチモードレーザーに対するSMレーザの利点は、リモート加工が可能なことである。現在、多くの加工では、レーザを加工物のごく近くに設置し、ロボットで移動させる必要があるため、複雑な機械と多くの可動部が必要となり、また加工速度もロボットアームの速度に制限される。高出力シングルモードレーザではリモート加工が可能になり、この制約がなくなる。また、パワー密度も高いため、加工速度を10-50倍に向上させることができる[2]と同時にシステムの簡素化、メンテナンスの省力化を実現する。生産ライン上の複数のレーザを1台の装置で置き換えることも可能である。



3.2 波長別フィルドアパーチャ

鉄鋼の加工には1064nmの波長のレーザが最適だが、金、銅、アルミニウムなど、この波長での反射率が高い金属には、532nmのような短い波長のレーザが必要となる。これらの金属を適切な波長で加工することは、経済的であるばかりでなく、より良い結果をもたらす。しかし、これらのグリーンレーザの出力は、周波数を2倍にする結晶の物理的特性により制限される。CBCでは、複数のモジュールを使用することでこの制約を回避し、各レーザチャンネルを個別に変換した後、シングルモード高出力ビームに再結合する。現在、Civan社では、最大150Wの532nmレーザを生成する製品を製品化しており、最大1kWの製品も開発中である。

1064nmのレーザと同様に、より高い出力は、より効率的なプロセスとなり、より速く、よりクリーンなプロセスを可能にする。そしてより高品質な最終製品を、より低コストで生産することができる。



3.3 パワー変調

CBC は、最大出力の 10%-100% の範囲で、高速な (10MHz) パワー変調が可能である。これにより、多様な運用が可能となり、特定のアプリケーションにも有効だ。

例えば、金属積層造形は、金属基板上に分散させた微細な霧状の金属粉末を選択的に溶融させることに依存する。その方法の1つが、一定のパターンでスキャンし、ビームの強度を調節することである。出力変調の速度を上げると、このプロセスの速度と解像度が向上する。高速出力変調は、多数の微細溶接を必要とする溶接作業などの高速化にも利用できる。このような場合、溶接の合間にレーザを停止させるか、低出力に設定する必要がある。点灯・消灯時間が長いため、多数の微小溶接を行う工程では時間がかかる。急速なパワー変調は、オンとオフの時間を減少させ、それによってプロセスを大幅にスピードアップさせる。このことは、ワークの異なる部分に対して正確なパワー設定が必要な表面異形化プロセスにも当てはまる。



4 オプティカルフェーズドアレイ

OPAでは、各ビームはファーフィールドで干渉縞となって結合される。すべてのビームは、電気光学的に位相を制御され、被加工物の加工に適したビームパターンとなって照射される。これによりビームの3次元的な位置制御、ビームプロファイル制御、出力制御を非常に精密に行うことが可能である。つまりOPAは、ユーザがニーズに合わせてビームを調整することを可能にしている。さらにビームの動的な制御が可能で、各パラメータは動作中にMHz周波数で変更することができる。このような制御をすることで、切断や溶接、3次元金属積層造形など様々な用途で業界標準を上回る性能を発揮するだけでなく、全く新しい加工方法の可能性が開ける。

本章ではOPA技術とその機能、およびユーザにとっての利点を説明し、OPA技術を使用して既存プロセスを改善、新しい処理戦略の実現、既存技術との統合などを説明する。



4.1 正確なビーム最適化

Civanの製品・技術の最大の特長は、その汎用性にある。Civanの独自技術であるOPA 技術により、ユーザはビームを動的に調整することができる。

現在、スポット径と光軸方向の焦点位置調整は、光学的および機械的な手段で行われている。この方法では 可動部品が増えるため、メンテナンス性が悪くなるだけでなく、調整スピードも制限されてしまう。そのため、レーザの実用性や柔軟性が制限されてしまう。

CivanのOPAでは光軸方向のスポット位置を調整することができる。これは電気光学的に制御されるため、高速な動作が可能である。これにより、加工できる材料の自由度が飛躍的に高まっただけでなく 同じレーザで厚みの異なる素材を加工することが可能となる。加工できる材料に比類ない柔軟性があるだけでなく、工程を大幅に短縮し 加工速度を大幅に向上させ、後述するような新しい加工戦略を可能にする。

ステアリング - OPAを使用し、デジタル電気光学制御によりビームをステアリングすることができる。これにより これにより、現在の技術よりも極めて高速かつ高精度なビーム制御が可能となる。ロボットアームなどの機械的な手段を用いれば、1Hzの周波数で、1cmのオーダーの分解能でビームを制御することができる。走査型ミラーを用いれば、周波数kHz、分解能数ミリの解像度が得られる。OPAでは、ビームを走査範囲内のどこにでも、ミクロン単位の精度で配置することができ、MHzの周波数で再配置できる。

スキャン範囲は製品のチャンネル数に依存する。現在、CivanではOPA6とOPA20の2種類の OPA 6とOPA 20の2つの製品を販売している。

OPA 6は数十チャンネルを使用し、走査範囲はスポット径の6倍である。OPA20は数百チャンネルを使用しており、スポット径の20倍の走査範囲を持つ。Civanでは、お客様のご要望に応じたカスタム製品の製造も可能だ。さらに、OPAとスキャニング技術の統合も可能で、両者の利点を活用することができる。4.3では、そのような統合の例と、それによって切断工程がどのように改善されるかを示す。

ビームシェーピング - ビームシェーピングの分野における可能性と利点について、近年多くの研究が行われている[4,5,6]。様々なビームプロファイルは、様々なプロセスの効率性を高めることが示されている。この分野は今後も進化を続け、様々なプロセスにマッチした新しいビームプロファイルが開発されることが期待されている。多くの市販製品では、ビーム整形は光学的手段で行われており、様々な光学モジュールや特別に製造された光ファイバーによって実現されている。

しかし、これらのモジュールでは、汎用性が限られており、動的な変調もできない。さらに、この方法では 新しいビームプロファイルが開発されると、それぞれのモジュールを個別に購入する必要がある。



図2 生成するビームプロファイル例


Civanの製品と技術は、電気光学的に操作することで、無限のビームプロファイルを実現する。これにより、ユーザは 研究成果を即座に実現し、レーザ材料加工の最前線に立ち続けることができる。追加コストなしで モジュールを交換する必要がないため、また加工中に動的にビームを変形させることができるため、加工時間をさらに短縮し、高度な製造技術を可能にできる。



4.2 アプリケーション

今日の産業用溶接の課題である溶接品質向上、大きなギャップ溶接、異種材料の溶接などの多くは、精密なビーム設計で解決できる。

例えば、高速2次元ステアリングは、レーザの高速ウォブルを発生させ、溶融池の制御を向上させる。レーザの直線的な動きと連動して大きな静止スポットの代わりに、小さな高速移動スポットを使用することができる。これにより、メルトプールの寿命が延び、脱ガス時間が長くなり、よりゆっくりとした均一な凝固が可能になり、結果として、より高品質な溶接が実現する。

ウォブルのパラメータを調整することで、より大きなギャップの溶接が可能となる。また 異なる材料の溶接を大幅に改善することができる。これにより、ただ単純に均一な混合や金属間結合の制御を行うだけでなく、混合比や電気抵抗の制御も可能となる。

OPAはステアリングの動的制御が可能であるため、パラメータを動的に変更する必要があるプロセスでも使用することができる。そのようなプロセスの一例として キーホール拡張がある。この場合、ビームはまず比較的小さな楕円に沿って振動し、必要な深さに到達する。必要な深さに到達したら、楕円を広げてより広いキーホールを作ることができる。これによって、よりクリーンな加工が可能となる。

光軸方向の高速スポット制御は 切削加工に重要な役割を果たす。現在は、焦点位置 を機械的に調整するか、光学的な方法で調整している。そのため、スポット位置の操作スピードに限界がある。そのため、一般的なレーザ切断技術ではレーザビームを一定の深さ(通常は切断する材料の中心)に集光している。その結果、切断深度の大部分において、レーザビームのスポット径が大きくなり、加工効率が悪くなる。非常に粗い切断となるため、後加工が必要となる場合もある。

OPAでは、焦点位置を高周波数でダイナミックに調整することで、大幅に改善した。この方式には多くの利点がある。(1)切り込み深さに合わせて焦点位置を連続的に移動させるため、切断面がきれいになる。(2)必要な深さにおいて、より小さなスポットで加工できるため、プロセスが高速になる。(3)大きなスポット径で無駄なエネルギーを消費しないため、より効率的な加工が可能である。また、きれいな切断面は、追加加工の必要性を低減、あるいは完全に排除することができる。

最近の研究では、ビームシェーピングによって、従来のレーザーアプリケーションを大幅に改善できることが示されている。

例えば、中心スポットを環状に取り囲むことでキーホール溶接の安定性を大幅に改善し、スパッタとポロシティを低減することができる[4]。また、ビームシェーピングによって結果が劇的に改善されることが示されているアプリケーションは、表面処理である。ビームプロファイルが異なると、熱拡散のパターンも異なる。最適化されていない熱拡散パターンでは、ビームの滞留時間を長くする必要があり、その結果、熱影響部が大きくなってしまう。適切なプロファイルのビームを使用すれば、単に速度と精度が向上するだけではなく、基板材料の損傷閾値に達することなく、より高い温度でプロセスする新しい技術の実現もできる。[5]。

必要なプロファイルの正確なパラメータは 加工する材料の特性や完成品に求められる 内容によって決定される。異なるプロファイルは、プロセスによって異なる利点を持つ。図3は、2つの溶接を示したもので、1つ(右)は1点ガウスビームで、もう1つは2点ビームを使用したものである。この2つの溶接は明確に異なっており、それぞれ異なる状況における異なるニーズに対応したものである。



図3 左:2点ビームによる溶接断面

   右:ガウシアンビームによる溶接断面


現在、ビームシェーピングのためのソリューションとして、専用のレーザヘッドや特別に製造された光ファイバなど、いくつか市場に出回っている。しかし、これらのソリューションでは、OPAが提供する柔軟性に欠けています。1つには、限られたプロファイルの選択肢しかなく、それぞれのプロファイルに異なるハードウェアが必要であることである。また、ビームプロファイルが固定されており、加工中にビームプロファイルを変化させることができない。OPAは、電気光学的に制御された無限のビーム形状を提供するだけでなく、加工中にビーム形状を変更することが可能である。

そのため、ユーザは新たなハードウェアを購入する必要がない。

OPAの最大の利点は、その汎用性にある。かさばる装置や複数のモジュール、交換が必要なパーツではなく、コンパクトな1台の装置で、現在利用できるすべての機能を利用できるだけでなく、研究の進歩に応じてビーム調整の無制限な可能性を提供し、新しい工法の開発に役立つ。これにより、Civan製品のユーザは、材料加工技術の最前線にとどまるだけでなく、新しい加工戦略を研究することができ、競争力を高めることができるのである。次章では、そのような新しい加工戦略の数々を紹介する。



4.3 新たな加工戦略

OPAは、従来の処理方法の改善に加えて、操作の自由度を大きく向上させることができる。この柔軟性により、ユーザとそのニーズに合わせた斬新な処理戦略を構築することができる。本章では、OPAを使い、単に既存のプロセスを改善するのでなく、まったく新しい方法で使用する方法をいくつか紹介する。

OPA によるスキャン支援 - OPA はスキャンなどの既存技術と統合することができる。スキャニングのような既存の技術に統合することができます。従来のスキャニングは、機械的に制御された走査ミラーによって行われ、ビームの位置に合わせて正確にトレースする必要がある。これは時間のかかる作業で精度に大きな制約がある。また パターンが複雑であればあるほど、走査型ミラーの移動速度は遅くなる。微細な加工ができないこともあります。

OPAを使うと、走査の仕方が劇的に変わる。

走査ミラーが細かいところまでトレースするのではなく、細かい部分はOPAが埋めて、走査ミラーは単純で高速なルートで動かすことができる。OPAはより高速で正確な操舵が可能なため、精度を落とすことなく、より高速な結果を得ることができる。

例えば、ユーザが金属の板から歯車の形【イラスト2】を切り出したいとする。従来のスキャン技術では、スキャンミラーで歯の一つ一つを操作する必要がある。この場合、ルートが長くなるだけでなく、より複雑なものになります。曲がるたびに 機械的に動作するスキャンミラーを減速させたり加速させたりする必要がある。

OPAアシスト走査の場合、動作ははるかにシンプルになる。複雑な経路の代わりに、スキャニングミラーは、例えば、歯車の円周を回るように、もっと単純な経路をとることができる。ビームはOPAによって制御され、細部(この例では歯)を埋めることができる。



図4 OPAアシストスキャニング


もちろん、パターンが複雑であればあるほど、より大きな改善効果が期待できる。さらに、OPAでは極めて精密にビームを電子制御できるため これまで不可能だったパターンを可能にする。

OPAを用いた金属積層造形 - OPAを利用することで、既存のプロセスでより良い結果を得られるだけでなく まったく新しい加工戦略を可能にするもう1つの例が、金属積層造形である。金属粉末積層造形法では、微粒化した金属粉末の層を金属基板に塗布し、高出力レーザを用いて、必要な形状の粉末を選択的に溶かし、融合させる。レーザが粉末を完全に溶かす必要があるため、現在、このプロセスの速度は、粉末を溶かす時間によって制限されている。OPA技術により この工程を劇的に改善できる。OPA技術で、複数のポイントを高速で循環させることで、このプロセスを劇的に改善することができる。サイクルが十分に高速な場合、各スポットが与えた熱は、次のサイクルまでに放熱されることはない。次のサイクルで再び加熱される。つまり、複数の箇所を同時に加工することで 加工時間を大幅に短縮することができる

以上、OPAを使った新しい加工方法の一例を紹介した。OPAは、他に類を見ないダイナミックで柔軟なツールをユーザに提供し、ユーザのニーズに合わせてビームを調整することを可能にする。

研究が進み、新しい手法や技術が必要なとき、OPAユーザは、新しい装置の購入をすることなく、すぐに実験を開始できる。


5. まとめ

20世紀後半に登場して以来、レーザは材料加工において重要な役割を担ってきた。古い技術が改良され、新しい技術が導入されるにつれて、レーザによって行われる加工の範囲と種類は常に増加している。先進的なレーザシステムは、従来のプロセスを改善し、新しい加工戦略を提供することができ、それによってメーカーは競争力を維持し、高めることができる。

Civanは、CBCの既存技術をベースに、3つのレーザ新製品を発表する。これらの製品は、CBC技術が初めて商業製品として利用できるようになったもので、高出力(21kW)のSM CWビームを提供する。さらに重要なことは、Civan独自のOPA技術により、他に類を見ない柔軟でダイナミックな動作が可能であることである。スポットの3次元位置制御、ビームプロファイル、出力などのビームパラメータを変更することができる。ビームスポット位置、プロファイル、パワーなどのビームパラメータは、10MHzの周波数で変調することができる。これらの機能により、ユーザは自分のニーズに合わせて ビームを利用することができる。さらに、Civan社の製品は、既存の技術と統合することが可能で また、スキャナーなどの既存技術と組み合わせることで、さらに実用性と汎用性を高めることができる。その結果、極めて柔軟で汎用性の高い製品が生まれた。

従来のプロセスを飛躍的に向上させるとともに、新たな加工戦略のための多くの機会を提供している。

この論文では、Civan製品の技術や性能をレビューし、それらがどのように従来のプロセスの改善し、どのように使用されるかを説明し、新しい加工戦略のためのいくつかの例について説明した。









参考文献

[1] T.Y Fan: Journal of Selected Topics in Quantum Electronic 11 (2005) 567-577. (Journals)

[2] F. Fetzer, C. Hagenlocher and R. Weber: Laser Technik Journal 15(3):28-31 June 2018. (Journals).

[3] M. Lütke, A. Mahrle, T. Himmer, L. Morgenthal and E. Beyer: Proc. ICALEO 2008, 27th International Congress on Applications of Lasers & Electro Optics (2008) 695-702. (Journals)

[4] B. Victor, D. Kliner and M. Hepp: Industrial Laser Solutions, 34 (2019) 9-13 (Journals)

[5] D. Hauschild: Industrial Laser Solutions, 33 (2018) 14-17. (Journals) [6] S. Laroui: Industrial Laser Solutions, 34 (2018) 22- 23. (Journals)












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